平成29年度 農業土木職員専門研修 報告
平成29年度 農業土木職員専門研修 報告
先の平成29年11月28日から11月30日まで三日間の専門研修が開催されました。
本研修は耕地課主催による農業土木職員の専門研修です。千葉県農林水産部所属の農業土木職で採用された2年目、3年目までの若手技術者が対象です。耕地課では毎年開催された重要な技術研修ですが、平成25年度以降は開催されておらず、5年ぶりの再開となっています。
研修は下に示しますように三日間、充実した内容で受講者34名も大変でありました。
研修会の朝には朝会があり、耕地課基盤整備室の飯田副主幹、武田副主幹が司会あるいは調整など世話役をされています。
実際のカリキュラムは次の通りでありました。
1.第一日目(平成29年11月28日水曜日)
? 千葉県の農業農村整備事業の展開
千葉県農林水産部耕地課事業計画室 鈴木浩二副主幹
以上、午前中。 以下午後です。
? 千葉県農林水産部耕地課 課長講話
千葉県農林水産部耕地課 杉森浩課長
将来、幹部として活躍される若手技術職員への耕地課長からの訓話でした。
? 農地中間管理事業の概要
千葉県農林水産部農地・農村振興課 毛利雅史副課長
一日目は耕地課主幹の農林行政に関する事業全体の勉強が主眼でした。
2.第二日目(平成29年11月29日木曜日)
? 失敗事例の紹介
一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会 中村 雄兒会長
失敗事例として1.地質調査の失敗事例、2.河川構造物の破壊例、3.擁壁の破壊事例、横浜マンション事例、4.常総水害事例など問題点と原因の解説でした。「失敗をたくさんしてください」というのが印象的でした。
常総市水害鬼怒川破堤状況(国土交通省)
? 農業土木基礎講習
千葉県農業会議 山本泰三事務局長(元千葉県農林水産部次長)
山本泰三事務局長
講義内容項目は単純明快、次の通りです。
1.「千葉県を愛してください」 仕事の目的意識→ 公益性・公共性
2.「自分で考える」
3.ポジティブシンキング
4.「趣味を持つ」
5.設計委託成果品チェックについて
6.図面の見方(3次元のイメージ)
山本氏自らの体験談を含め、仕事に対する姿勢や生き様についての熱意ある講義でした。
? 水理の基礎
一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会 坂東悟監事
以上、午前中
? 水理の応用
一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会 坂東悟監事
水里に関する基礎から応用まで、自ら作成した教材による基本水理の講義でありました。短い時間にポイントを押さえ、中身の濃い内容でありました。
? 初めての擁壁設計
安房中央土地改良区 小橋純事務局長(元海匝農業事務所所長)
事前のアンケート結果を踏まえながらの具体的、わかりやすく明快な講義でした。
特に、「技術公務員に求められるもの」、「皆さんに伝えたいこと・・・」など、後輩へのメッセージとして整理された印象深い講義でありました。
3.第三日目(平成29年11月30日金曜日) 一日を地質協会が担当しています。
? 千葉県の地形地質
机上からの地形・地質の推定と活用
一般社団法人千葉県地質調査業協会 中村 雄兒理事技術委員長
? 地質調査の基礎
土質定数の求め方
一般社団法人千葉県地質調査業協会 熱田和敏相談役
? 地質調査の基礎
土質定数の求め方
一般社団法人千葉県地質調査業協会 熱田和敏相談役
地質・土質に関する専門的な話があり、多岐にわたる項目・内容のため少しだけ難解な部分があった印象です。
? モデル調査事例による調査の計画
一般社団法人千葉県地質調査業協会 高橋高志技術副委員長
具体的な事例を示して調査計画のあり方や設計施工に関する注意すべき事項を紹介・解説する内容です。専門用語も多く、三日目最後近くの講義で受講者は苦労されたと思いますが、熱心な受講が印象的でした。
? 地質調査業務の構成
一般社団法人千葉県地質調査業協会 熱田和敏相談役
本項目は地質調査を実施するにあたり、設計積算を行う際の実際的な数量計上方法や項目について協会からの解説と要望を述べさせていただく内容です。
三日間にわたる中身の濃い技術研修でしたが、最後まで熱心に聴講する若手技術者の姿勢が印象的でした。参加者が将来の農業土木行政を担う幹部に成長されるであろう事を確信しました。
なお最後に、こうした農業土木職員の技術研修が技術伝承の一助となるよう毎年継続実施をお願いいたし、また、こういう機会をいただきましたことに協会として感謝を申し上げます。
平成29年12月4日 一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会
一般社団法人千葉県地質調査業協会 (中村)